Column ―弁護士の眼―

22万5000組の離婚

芸能人などの離婚に関する記事を目にすることがよくあります。厚労省の統計によると、平成27年の婚姻件数63万5000件に対し、離婚件数は22万5000件ですので、割合でみると、婚姻が3件あれば離婚は1件あるということになります。
 離婚に際して考えなければならないことは数多くあります。離婚後はどこで生活するか、仕事はどうするか、子どもがいたら親権者はどちらか、養育費はどうするか、親権者でない方の親との面会はどうするか、大学受験の費用は双方で負担すべきか…etc。これに離婚原因がどちらにあるか、一方のみが離婚を求めているなどの事情がからむと、感情的になり話し合いができなくなってしまうことも珍しくありません。
 離婚について事前に弁護士に相談することは、これらの問題を整理して考えることの助けになります。離婚すべきかどうかの判断で迷っている時であれば、離婚後の生活を多角的にシミュレーションすることも可能です。離婚の話し合いがこじれてしまった時でも、感情的な問題をひとまず横において、合理的な解決に向けた話し合いをすることができます。
 離婚調停の申立件数は、離婚件数の約20%です。離婚に話し合いが夫婦だけでできないことは、決して珍しいことではありません。弁護士に依頼してスムーズに離婚することもあれば、結果的に元の鞘に収まることもあります。どちらが正しいということはなく、それぞれの夫婦、家族の幸せのカタチを見つけることが大切だと思います。
 悩んでいる方は、自分だけで悩まないで、まずはお気軽にご相談ください。
 (吉田玲英)

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