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2012-06-11 Mon
大木篤夫 「危險信號」(アルス) 昭和5年9月27日刊

これも恩地の装幀によるものです。おそらく箱入りと思われるのですが、私が持っているものは、箱はありません。大木は長い自序を書いていて、その中で、「この詩集一巻は、著者が、この四年来の思想的混沌から生まれた時代的苦悶の告白であり、彼自身への、同時代の没落階級への危險信號であり、新興階級の戰勝行進曲の前に、彼が贄として捧げる没落の哀歌である。」と大変勇ましいことを書いています。
「あるVision」から
寒暖計は零度になった
眞昼の日中に
霏々として雪が降ってゐた 風が荒れてゐた
街角に紫の花をつけた潅木が揺れてゐた
うなりながら 赤い飛行機がビラを撒いてゐた
塔の鐘が危險信號を鳴らしてゐた
年月の層を刻む 高層建築の目盛りが罅割れてゐた
マンモンの下僕の群れが そこに蟻のごとく膠りついてゐた
機械の狂氣が ああ やうやく飢ゑてゐた
(略)
2012-06-11 Mon 18:36 | 古本
<岩田準一編「夢二抒情画選集上・下」(寶文�漾望赦�2年1月15日刊 | TOP | 徳岡孝夫 「五衰の人」 (文春文庫) 1999年11月10日刊>
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