Renkei日記 - 八十島法律事務所

2011-05-26 Thu

どうやって食べてきましたか


これは、小沢信男、津野海太郎、黒川創の鼎談で、正式な書名は、「小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか」です。この書名で手にとって見ることにしました。小沢信男の名前は知っていましたし、ちくま文庫の「犯罪百話」は持っていますが、いい読者とはいえませんでした。
苦労して成功した実業家の子として生まれ、父親から、「うちみたいに5人も子どもがいりゃ、一人くらいどうしようもないのが出てもしょうがない。」と目の前で言われ、大学を出て河出書房で校正のアルバイトをしていたときに、あの内田百�里�ら電話があり、「阿房列車」の“阿房”の字を「阿呆となさっているのはどういうわけですか。」てな電話をもらい、その直後に河出は倒産し、30歳になるまで、親のすねをかじり、結婚するときに親に家を買ってもらい、「幸いに女房が小食で子どもがいないでしょ、金がかからないんだよ、ほーんとに。」と嘯く。しかしその一方で、「実はこまごまと働いてきたんです。」とおっしゃる。
 これまでかかわってきた人たちについて、いろいろ語っていますが、特に印象的だったのは、「山田さん(山田稔のこと)っていうのはうまいねえ。多田道太郎さんが、小説になって腐っていく寸前の文章だといってくれた、と書いているね。多田さんのことを書いているその文章がまさにそれだな。非常にいい。」という発言。
 最近「本の立ち話」という本を出されたので、読んでみることにします。

2011-05-26 Thu 09:33 | 新刊本

2011-05-12 Thu

いまそかりし昔


 最近一部で話題になっている本です。著者は築添正生という方で金属工芸家を本職としています。この方のおばあさんが、平塚らいてうで、昭和46年5月にらいてうは永眠するのですが、晩年のらいてうとの交流についても書かれています。この本は、築添さんが亡くなったあと、故人を偲んで、長女の方を含め4人で、故人が生前、地方紙やリトルマガジンに書かれていたものを集めて一冊の本にしています。らいてうのほか、らいてうの夫の奥村博史のことや、谷中安規、内田百�痢�稲垣足穂、尾崎一雄、吉田健一、埴谷雄高、田村隆一、小島凡平、武林夢想庵、辻潤、それから殿山泰司まで出てきます。
 この本のタイトルですが、昔懐かしいあり、おり、はべり、のいまそかりだと思うのですが、日本語として正しいのか分かりませんが、おそらくそこに確かに存在した昔という意味だと受け取ればよいのかなと思います。
 それにしても、実にいやみのないいい文章で、羨ましく思いました。
 

2011-05-12 Thu 17:41 | 新刊本

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