Renkei日記 - 八十島法律事務所

2014-07-17 Thu

伊藤茂次詩集 「ないしょ」 (亀鳴屋)  平成21年3月12日刊


 編者の外村彰は、「茂次さんの人生詩には、いわゆる破滅型の作家が書くような私小説の読後感にも似たわびしい余韻がある。」と書いています。そこが魅力ですね。
          「ないしょ」から
   女房には僕といっしょになる前に男がいたのであるが
   僕といっしょになってから
   その男をないしょにした
   僕にないしょで
   ないしょの男とときどき逢っていた
   ないしょの手紙なども来てないしょの所へもいっていた
   僕はそのないしょにいらいらしたり 
   女房をなぐったりした
   女房は病気で入院したら
   医者は女房にないしょでガンだといった
   僕はないしょで泣き
   ないしょで覚悟を決めて
   うろうろした

2014-07-17 Thu 17:59 | 新刊本

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