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2014-02-05 Wed
忌野清志郎 「瀕死の双六問屋」 (小学館文庫) 2007年9月11日刊
惜しくも2009年5月2日に亡くなった清志郎の作品です。内容は、一応双六問屋から来た男が、自由に語りつくすという体裁をとっています。
町田康は、解説で、次のように言っています。
「よく、筋道の通ったこと、などというが誰もが簡単に納得する筋道など嘘に決まっていて、しかし人は筋道がないと不安なのでなんとなくそういうものがあることにしようとしているが、どうです?この文章。まるで歌じゃないですか。歌が、音楽が文章という形を取ればこうした明らかな筋道がないにもかかわらず、人の心に響く形になると私はいっているのです。」
たとえばこんな具合です。
昔のことなら笑いながら話せる。だって本当に楽しいことばかりだったから。
未来のことなら笑いながら話せる。だって夢のようなことを実現できると思うから。
でも今の気持ちを聞かれたら、僕はつまらないことしか言えない。
腰の引けたイクジ無しどもがこの世の中を動かしているのさ。
名著だと思います。
2014-02-05 Wed 18:05 | 古本
<円地文子 「食卓のない家」 (新潮文庫) 昭和57年4月25日刊 | TOP | 徳岡孝夫 「五衰の人」 (文春文庫) 1999年11月10日刊>
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