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2014-02-04 Tue
円地文子 「食卓のない家」 (新潮文庫) 昭和57年4月25日刊
この小説は、連合赤軍事件をモデルにし、その関係者の家族が崩壊していくさまを描いたものです。
女の業というものを描いてきた円地には珍しい、社会的なテーマを扱ったものということができましょう。
作品の中で、主人公は次のようなことを言っています。
「食卓の団欒が一番幸福だなんて家は、今の日本では珍しいですよ。皆、外では口を拭っているけれども、幸福な家庭は一様に幸福であるが、不幸な家庭はさまざまに不幸であるというトルストイの名文句はもう19世紀的ですよ。極楽みたいな家庭なんて、現代にはありませんよ。」
と、きわめてクールなことを言わせているのですが、最後は、血のつながりに希望を持たせた終わり方にしています。
2014-02-04 Tue 17:30 | 古本
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