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2013-09-12 Thu
高木護 「人間浮浪考」(財界展望新社)昭和48年5月1日刊
高木は、熊本県に生まれ、14歳から家を出て働き、人夫を中心に百以上の職につき放浪。ごろ寝、ぶらぶらの旅を続けた人でした。
この本は、彼と同様に浮浪し野垂れ死にした、木喰上人、種田山頭火、長谷敏男、辻潤、尾形亀之助、矢橋丈吉、宗不旱、尾崎放哉、吉村光二郎といった人たちを取り上げオマージュを捧げています。こんなことを書いています。
「私が出遭った三十年も四十年も人夫をしている相棒たちの顔は、翁の面のように美しかった。少々カリカチュウルにいわせてもらうと、修行のつんだ禅坊主のような顔でもあり、鉄鉢を捧げた行乞僧のような顔でもあった。あんな美しい顔になれるんだったら、老いて働けなくなって、行き倒れになってもいいから人夫のままで生を終わったとしても満足だ、とわたしはたしかめるように何度もつぶやいたものだった。」
2013-09-12 Thu 19:15 | 古本
<小沢信男「通り過ぎた人々」(みすず書房) 2007年4月9日刊 | TOP | 徳岡孝夫 「五衰の人」 (文春文庫) 1999年11月10日刊>
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