Renkei日記 - 八十島法律事務所

2013-09-04 Wed

小沢信男「通り過ぎた人々」(みすず書房) 2007年4月9日刊


 1945年に創立され2005年に解散した新日本文学会に所属していた著者が、この会を通じて知り合った18人について語ったものであると同時に、新日本文学会に対する愛惜を綴ったものです。
 18人はすべて物故者ですが、井上光晴については、小説家とはこういう人なのだと感銘した、菅原克己については、天成の純で美しいものを生涯保ちつづけたと書いています。
 また寺島珠雄については、「こんなにもかっこよく人は死ねるのか、アナキズムの徹底的実践で到達した涅槃ではなかったか。」と書いています。
 寺島は、晩年癌を患いますが、自分から病院には行きませんでした。それを彼の支持者であった女性たちが、寺島を拝み倒して入院させ、国民健康保険も取得させます。それまで国民健康保険にも入っていませんでした。そして、最晩年まで病室で執筆を続け、支持者の女性たちに囲まれて亡くなっています。

2013-09-04 Wed 19:21 | 新刊本

八十島法律事務所
〒060-0042
札幌市中央区大通西10丁目

周辺地図

●地下鉄東西線「西11丁目駅」下車
  3番出口直結 南大通ビル9階
●市電「中央区駅前」停留所より
  徒歩約2分
●近隣に有料駐車場有り

詳細はこちら>>