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2013-07-20 Sat
梶井基次郎 「檸檬」 (新潮文庫) 昭和42年12月10日刊
夏といえば檸檬、檸檬といえば梶井基次郎でしょう。梶井は昭和7年3月に32歳で亡くなっており、もう81年も経過していますが、いまだ色あせない光芒を放っているといえましょう。
この新潮文庫は、梶井が生前同人誌に発表していた20篇の作品のすべてが収められています。
特筆すべきは、解説を、生前親交のあった淀野隆三が書いていることで、彼の人柄や、人生、彼が生きていた時代の文壇の状況、そして作品について要領よく書かれています。彼の代表作である檸檬について、こう書いています。
「実際梶井は頽廃を描いて清澄、衰弱を描いて健康、焦燥を描いて自若、まことに闊達にして重厚な作風である。そうして特に私はこの一編に現れた西欧的な風格を指摘したい。そこには批判も、それより生まれるところの諧謔さえもがある。日本的自然主義とも耽美頽唐派とも、また心境小説、私小説とも異なる独自の小説である。」
2013-07-20 Sat 12:57 | 古本
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