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2013-04-18 Thu
河原晉也遺稿「幽霊船長」 (文藝春秋) 1987年11月15日刊
著者は1987年8月に44歳で急死されています。22歳のときに、鮎川信夫の知遇を得て、1986年10月に鮎川が亡くなるまで師事していた人だったようです。
この本は、遺稿集なのですが、タイトルの幽霊船長とは、鮎川のことです。なぜこのような名前をつけたのかというと、著者は、鮎川の死後初めて家を訪れます。生前の鮎川は、その私生活については極端な秘密主義者で、親しい人にも住所はおろか、電話番号すら教えていなかったようです。その鮎川の家を訪れた著者は、腰を抜かすほど驚くことになります。なぜそうなったかは、実際に読まれたほうがよいでしょう。鮎川について、一定のイメージを持っている人ほど楽しめる内容となっています。
このほかにも、エッセイや小説も収められていますが、どれも実にいいです。向井敏ももし生きていれば、「青べか物語」と並ぶ好著が生まれたかもしれないと書いています。
実に残念です。
2013-04-18 Thu 22:39 | 古本
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