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2012-11-01 Thu
山田稔 「コーマルタン界隈」 (編集工房ノア) 2012・6・1刊
元は、「文藝」に掲載されていたもので、81年9月に河出書房新社から刊行され、89年9月に新たな一篇を加えみすず書房から出されたものを、今回、元の河出版に戻すとともに、いくつかの加筆修正をおこなったとあります。
コーマルタンとは、パリの一画にあり、「私流にいえば、昼間、百貨店目指して方々から押寄せて来た人並みが溢れ出て流れ込み日暮れとともに汚物を残して退いて行く、まるでどぶ川のごとき場所であった。」とあります。
主人公は、日本からやってきて、コーマルタンに住み、大学で日本語を教えています。夜は売春婦も出没し、その一人との交流も描かれます。また、自分に冷たくされた男の悲しみを悲しんでいる女の話もあります。こうした人物造形は、異国ならではのものでしょう。
2012-11-01 Thu 17:52 | 新刊本
<近藤聡乃 「不思議というには地味な話」 (ナナロク社) 2012・6・6刊 | TOP | 徳岡孝夫 「五衰の人」 (文春文庫) 1999年11月10日刊>
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