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2012-07-09 Mon
由良君美 「みみずく偏書記」 (ちくま文庫) 2012年5月10日刊
元本は、1983年に青土社から出ています。書評や読書論などからなっています。
柳田国男について、その発想源が実は外国にあったとし、「実に不思議なことに、日本で何らかのイデオロギー的立場に立つ人たちは、すべてと言うほど書誌学に弱い。こういう柳田の一側面に対しては、見込みも甘いし、評点もいい加減である。」と書き、郡虎彦については、「白樺派正統派の人たちについてのいわゆる人道主義的評価なるものについては、私はあまり点の甘い方ではない。白樺派に属しながら、そのいわば、ズッコケ組に入りそうな人たちの方に、どうしても、私の高い評価は傾いてゆく。」と書き、また「悪い所を知り抜かないで、どうして相手をまっとうに評価できようか。」として、ドイツ人よりも激しいナチ精神の体現者であったイギリスの謀略放送家について語っています。
彼自身いろいろ言われることの多かった人のようですが、書いていることは無類に面白いと思いました。
2012-07-09 Mon 17:48 | 新刊本
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