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2011-07-05 Tue
久松健一 書物奇縁
大学の先生が書かれた、古書にまつわるエッセイです。中でもとりわけ印象深かったのが、次のようなエピソードです。あるとき、店の主人から「宝物を買ってくれないかい」と声をかけられ、「質問はたった1度しかできないよ」と言われ、「これでいい。5万円だ」と言われます。これは当時の1か月分の家賃とほぼ同額だったそうです。そして、「おたくに託したい。金は後でいい」と言って、紫色の風呂敷を恭しく机上に置いたそうです。風呂敷に包まれていたのは、寺山修司が学生時代に作っていた雑誌「風」だったそうです。その後1週間もたたないうちに、その店は閉店してしまったということです。5万円という価格は、当時としてもかなり安かったように思います。古本好きなら、一度は夢に見る話です。私の場合は、そんな激レアな本でなくてもいいんですけどね。例えば、朔太郎のアルス版「月に吠える」5万円で売ってくれないかなあ。
この本では、寺山修司にかなりのページを割いていますが、佐藤泰志についても「佐藤泰志の作品の中で、間違いなく文学は生きている。忘れてならない作家の静かな声が、たしかに聞こえてくる。」と紹介しています。
2011-07-05 Tue 19:02 | 新刊本
2011-06-29 Wed
小沢信男 本の立ち話
小沢信男 本の立ち話
でもって、先日紹介した小沢信男です。この本は、ここ10数年間に書かれた書評や解説などから編まれた1冊です。あとがきに、「老境とは、結構意外性のあるものですなあ」と、これまたとぼけたことをおっしゃっています。
人物評価に独特のものがあり、辻征夫については、「辻征夫になることに、ずいぶん手間暇のかかった人と思う。イノセントを命綱にしたばっかりに、満身創痍、茫然自失することで自己を貫く、というふうな状態が異様に長かった人、と私には見える。」などと書いています。一体どんな人なんだと思わせますね。
小沢さんは、秋山清の次の言葉をあとがきで引用しています。「詩をかくというくらいのことを詩人の資格などとはさらさら思わない。詩人とは、我をつらぬいて生きそして死ぬ者、とかたく思い込むようになった。」
これは、人とはと、当て嵌めてもいいように思いました。
2011-06-29 Wed 19:56 | 新刊本
2011-06-09 Thu
三山喬 ホームレス歌人のいた冬
NHKBSの週刊ブックレビューという番組で紹介されていたので、読んでみる気になりました。今年の3月23日に第1刷が発行され、4月26日には第4刷が発行されているので、かなり売れているのでしょう。
だが、しかし・・・・・・・
(やわらかい時計)を持ちて炊き出しのカレーの列に2時間並ぶ
炊き出しに並ぶ歌あり住所欄(ホームレス)とありて寒き日
日産をリストラになり流れ来たるブラジル人と隣りて眠る
うーん。これに感動できるかという問題もありますが、そもそもホームレスがこんな素晴らしい短歌を作るなんてとか、新聞歌壇史上例を見ないドラマというのは差別的な視点ではないのかしら。昨今の構造不況を考えれば、ホームレスの人であっても知性と教養を持つ人がいても何の不思議もないと思うんですけどね。
この本のカバーには、「ドヤ街に入り込んだ著者の、地を這うような探索が始まる。」とあるのですが、本当にそうかと突っ込みを入れたくなりました。
2011-06-09 Thu 17:20 | 新刊本
2011-05-31 Tue
中原昌也 死んでも何も残さない
読んでもいないし、興味もない、三島由紀夫の名を冠した賞を受賞している作家です。その彼から聞き取りした言葉をまとめで1冊にしたもので、内容は一応自伝ということになっています。
彼の書く小説や、日記、映画評からは良く分からなかったのですが、彼こそは、あの辻潤の再来であると思いました。
彼は、この本の中で、「書きたくて書いているんじぁないことしか書きたくないことが、どうして分かってもらえないのか。」、「本当に混沌としている感じは、もうどこにもないのだろう。どこかで棲み分けができていて、その枠を動かすことはもうできない。」、「なぜみんな共感し合わなければならないのか。共感など全部嘘っぱちだということを、率先して理解しなければならないのに。」、「歴史とか伝統と呼ばれるものは全部終わったという認識が必要だ。今後記憶すべき歴史などもうない。戦争すら、もはや歴史的な出来事ではない。」1つ1つの出来事が安くなる。」などと言っています。
こうした考え方は、辻潤の思想に非常に近いと思いました。どう近いかについては、次回に。
2011-05-31 Tue 17:14 | 新刊本
2011-05-30 Mon
五味康祐 「いい音 いい音楽」
先日住宅金融支援機構の元営業推進室長が汚職で逮捕されたというニュースがありました。動機は、女でもギャンブルでもなく、高額のオーディオ機器購入で約1000万円の借金を抱えていたとのことでした。
この本は、五味康祐が、最晩年に新聞に連載していたエッセイを軸に編まれたもので、音楽やオーディオに対する熱い思いについて書かれています。ごみはこの種のエッセイをたくさん出していて、昔はよく読んでおりました。その仲に、「芥川賞の時計」というエッセイがあります。
彼が芥川賞を受賞した昭和28年当時、彼は校正の仕事をしていて、月収が1万円、都営住宅の家賃が、2700円、そんな生活の中から、3000円のLPレコードを買っていました。芥川賞の賞金は5万円で、副賞が懐中時計だったそうです。五味は、知人から輸入オーディオを3万円で譲ってもらう約束をしていて、それに宛てるため、その懐中時計を質に入れようと考えていたところ、奥さんは、それを察したか、懐中時計を隠し、その代わりに3万円を渡してくれたそうです。話がここで終わっていれば、落語の人情話のようで、いい話で終わるのですが、五味は続けて、機械だけでは音楽は鳴らないと書き、結局レコードを買うために、懐中時計を質に入れるわけです。そこが、この人の業で、作家になる人は違いますね。最後に、「あの頃の方が、音楽を聴いていたという気がする。今は音質を聴きすぎる。どちらが果たして幸福なんだろう。」と述懐しています。件の元営業推進室長も、音質を聴きすぎていたのではないでしょうか。
2011-05-30 Mon 11:22 | 新刊本
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