2013-03-18 Mon
青弓舎から2002年9月22日に出た「古本泣き笑い日記」にその後に書かれたものを加えて定本としたものです。
著者は現在は善行堂という屋号で、古本屋をやっていますが、当時は学習塾をやっていて、仕事の合間を縫って毎日のように古本屋巡りをし、その戦果が書かれています。
それにしても、本当かと思われるような値段で購入しています。例えば、
小山清の旺文社文庫の「落穂拾い・雪の宿」50円(私はこれを1500円で購入しています。)、上林暁の現代教養文庫の「武蔵野」も50円(1000円)、同じく上林暁の桃蹊書房の「悲歌」が函ありで100円(私は、函なしで3500円)、光文社の伊藤整詩集が署名ありで300円(私も署名はありますが6000円)、日本評論社の幸田露伴の「幻談」を2冊500円のうちの1冊として購入(値段は忘れましたが、そんなに安くはなかったかと)
泣きながら読み終えました。
2013-03-18 Mon 21:45 | 新刊本
2013-02-28 Thu
元本は、2002年7月に晶文社から発行されています。文庫化にあたり、一章分増えています。
父や母の死、その後の相続をめぐる兄弟間の争いについて書いている中で、こんなことを言っています。
「言葉は、喋れる人のためにあるのではなく、もしかしたら、喋れない人のためにあるのではないだろうか。自分の都合のいいように、『自分の意見』を言うためにあるのではなく、『正しいこと』、『本当のこと』を探すために、言葉はあるのではないだろうか。」
詩的な文章だと思います。
2013-02-28 Thu 21:40 | 新刊本
2013-02-26 Tue
「JAZZ雑文集」に続くDU文庫からの第二弾です。
前半はジャズの鑑賞法、後半は、これからも続くいい曲探しの旅という副題がつけられています。
私自身は、この人の好みとは若干違っていて、この人が勧めるものは、避ける傾向があるのですが、文章は好きです。例えばこんなところ。
「ジャズの楽しみの本質とは何か。さあ言うぞ。こういう誰も知らないディスクを夜中の二時ころ、『ヒッ、ヒッ、ヒッ』と笑いながら一人静かにライブラリーから取り出しトレイに収め、この盤の聴きどころは5曲目の<ノー・ベース>にあるのだぞよ、知らないだろう、知っているのは全世界で俺を含めて三人ぐらいだろうなあ、とホクソ笑んで一人悦に入る。それがジャズの楽しみの極限的本質というものなのだ。」
まったくそのとおりなのです。
2013-02-26 Tue 21:31 | 新刊本
2013-02-21 Thu
ボン書店がらみで、こんなものもあります。これは、昭和7年5月から昭和9年8月まで17巻ボン書店から出版されていた「マダム・ブランシュ」という雑誌の、表紙、奥付、広告の写真と、目次をまとめたものです。
構成は、黒木まがりという方で、よく集められたなと思います。
この雑誌の編集は、鳥羽茂がしており、瀧口修造、北園克衛、春山行夫、山中散生、左川ちか、阪本越郎、井上多喜三郎などそうそうたるモダニストたちが寄稿しています。
2013-02-21 Thu 21:28 | 新刊本
2013-02-07 Thu
上林は、筑摩書房から全集が出ているのですが、この本は、全集に未収録となっていた未発表原稿と媒体発表の作品を集成したものです。
いろいろ気になったところがあるのですが、たとえば、井伏鱒二について、「井伏氏は、モーパッサンのある作品について、『あの最後の方の一行アキは素晴らしいねえ』と言ったことがある。一行アキの効果まで読み取る人である。」、戦後の小説ベスト5というアンケートに答えて、遥拝隊長(井伏鱒二)、鳴海仙吉(伊藤整)、名人(川端康成)、斜陽(太宰治)、虫のいろいろ(尾崎一雄)を挙げています。
この本の最初に、彼の詩が紹介されていて、そのタイトルが、この本の書名にもなっているのですが、当時の時代の雰囲気を反映したモダンなもので、驚かされます。
2013-02-07 Thu 17:30 | 新刊本
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