Renkei日記 - 八十島法律事務所

2014-06-26 Thu

荒川洋治「ロマンのページにパーキング」(毎日新聞社) 1990年2月25日刊


これは、週刊誌や新聞に発表された書評やエッセイをまとめたものです。
 広津和郎全集を紹介した中で、広津のある短編について、短い文章に中に「私」や「父」が多数出てくることを指摘し、「つまり、いまの感覚からすると整理が必要な文章ということになろう。」「でもぼくは、だからいいのだと思う。」「たしかに主語の省略というのは文章の近代化に欠くことのできないものだけれど、それは、近代的文章(小説)が、日記になって自分の問題ばかり書こうとしているからだ。」「日記を書くのに、『私は』『私は』っていちいちやらないのだ。」「広津和郎はどこに立っても文章の見晴らしがよい。私小説とはいいながら、結局、今日の『私』よりも開かれているのではないか。」「どちらが近代人の小説なのか、考えてみるべきだとぼくは思ってしまう。」
 こうしたところが、荒川節ですね。

2014-06-26 Thu 17:40 | 古本

2014-06-26 Thu

荒川洋治「倫理社会は夢の色」 (思潮社) 1984年11月30日刊


 この詩集には、荒川自身が書いた栞が挟まれています。そこには、「倫理社会にはまだ見処がある、というのがこの本のメインテーマである。」「いまは『倫理』を破りやすい時代である。破ることが真の破壊力を持たない。」とし、この詩集は、「恋愛ヒロバ面においてはA→B→Cの古典的ステップを折り目正しく慎重につきすすむさまざまな男と女の、くるしい、しかれども本質的命題をはらむその『性愛』をマークした。」と書いています。
    「倫理社会は夢の色」から
  倫理社会は夢の色   だが
  誰もそこには棲まない
  六甲は手の甲
 (自然)とさえ見まがうほどの(決定)の火柱
  こうしてぼくはこの二年 夜が
  明ければ

2014-06-26 Thu 17:27 | 古本

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