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2014-02-04 Tue
円地文子 「食卓のない家」 (新潮文庫) 昭和57年4月25日刊
この小説は、連合赤軍事件をモデルにし、その関係者の家族が崩壊していくさまを描いたものです。
女の業というものを描いてきた円地には珍しい、社会的なテーマを扱ったものということができましょう。
作品の中で、主人公は次のようなことを言っています。
「食卓の団欒が一番幸福だなんて家は、今の日本では珍しいですよ。皆、外では口を拭っているけれども、幸福な家庭は一様に幸福であるが、不幸な家庭はさまざまに不幸であるというトルストイの名文句はもう19世紀的ですよ。極楽みたいな家庭なんて、現代にはありませんよ。」
と、きわめてクールなことを言わせているのですが、最後は、血のつながりに希望を持たせた終わり方にしています。
2014-02-04 Tue 17:30 | 古本
2014-02-04 Tue
池内紀編訳 「ホフマン短編集」 (岩波文庫) 1984年9月17日刊
ホフマンは、1776年に生まれ、46歳で亡くなっています。現在は幻想作家と言うことで評価も定まっていますが、生前は、裁判官をやりながら、売れない小説を書いていたということのようです。ちなみに、バレエの定番「くるみ割り人形」は、彼が書いた童話が原作になっているようです。
この短編集は、池内氏が自ら選んだ「クレスペル顧問官」「G町のジェスイット教会」「ファールンの鉱山」「砂男」「廃屋」「隅の窓」からなっており、翻訳もしています。
中でも「砂男」はもっとも有名な作品で、望遠鏡、鏡、自動人形といったものが重要な小道具として使われています。
2014-02-04 Tue 17:11 | 古本
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