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2014-02-01 Sat
小檜山博 「人生という旅」 (河出文庫) 2013年5月20日刊
著者は、あとがきで、「初めは自分の心の底にある虚栄や見え、気取りや愚かさをさらけ出すことで己を見つめ直すつもりだったのが、書き終わってみると、ぼくが生まれてからこれまで、ぼくの人生を豊かに形づくってくれたたくさんの人々の善意に気づく旅になっていた。」と書いています。
講演で人生とは何かといった話をしていると書いて、著者が高校生のときに父親から言われたことを書いています。
夕食時に、何かの折に、「地球は丸い」と言ったところ、父親は、「高校へ行ったぐらいで、いいかげんなことを言うもんでない。」と言ったそうです。そこで著者が「本当なんだ。」と声を高めたところ、父親は、「お前見たのか。」と言ったそうです。このエピソードを紹介したあと、著者は、自分の講演を父親が聞いたら、「おまえ、人生を見たのか。」と鼻で笑われそうで顔が熱くなる。父は、こうしてときおりぼくの中に現われては、ぼくの不遜になりかかる心を戒めてくれているのだろうと書いています。
2014-02-01 Sat 18:03 | 古本
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