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2013-11-30 Sat
長谷川郁夫 「藝文往来」 (平凡社) 2007年2月20日刊
著者は、大学在学中に小沢書店を創業し、数々の良書を世に送り出していたのですが、2000年9月に倒産してしまいます。この本は、それから3年後に、今はなき「彷書月刊」に「日だまり図書館」として連載していたものを中心に編まれた随想集です。
山口哲夫、田村隆一、北村太郎、伊達得夫、長谷川巳之吉ら、文藝に関わった多くの人達のことが取り上げられており、何度も読み返したくなる本です。
「記憶の中の本」から
「本をまとめて売り払った経験が二度ある。(略)2度目は数年前、経営していた会社の状況が思わしくなくなってきたとき。このときは根こそぎだった。(略)いま私は、必要に迫られて失った本を取り戻そうと、古書街を歩く。だがあきらめと欠落感に躓きそうな気分に襲われることがある。蔵書の中に封じ込めておいたあの熱中という名の蒐集エネルギーは、液体が気体となるように蒸発して消えてしまった。私が求めているのは、本当に“本”なのだろうか、と。」
2013-11-30 Sat 18:09 | 新刊本
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