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2013-05-08 Wed
吉岡實詩集 (書肆ユリイカ) 1959年8月10日刊
この時点で吉岡が出していた3つの詩集に、未刊詩篇を加えたものから編まれています。なかでもH賞を受賞した第3詩集「僧侶」については、全篇収録されています。この本の帯には、詩壇に最大の波紋を投げた問題の詩集僧侶全篇収録と書いてあります。「僧侶」の一部を紹介しましょう。全部で9連あるのですが、最初と最後を。
1
四人の僧侶 庭園をそぞろ歩き
ときに黒い布を巻きあげる
棒の形 憎しみもなしに
若い女を叩く こうもりが叫ぶまで
一人は食事をつくる
一人は罪人を探しにゆく
一人は自瀆
一人は女に殺される
9
四人の僧侶 固い胸当のとりでを出る
生涯収穫がないので 世界より一段高い所で
首をつり共に嗤う
されば
四人の骨は冬の木の太さのまま
縄のきれる時代まで死んでいる
2013-05-08 Wed 17:20 | 古本
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