Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-09-06 Thu

森達也 「ぼくの歌・みんなの歌」 (講談社文庫) 2012年8月10日刊


 歌を通じて、自分や友人を語り、あるいはその曲を作ったミュージシャンを語るという本で、一気に読まされました。有名な曲なのに、何を歌っていたのか知らなかったものが多くありました。例えば、72年にヒットしたアルバート・ハモンドの「カリフォルニアの青い空」は、原題は「南カリフォルニアには雨が降らない」で、アメリカには来たものの、仕事にあぶれ、物乞いのようなことまでしたという原体験を反映したもので、曲調と異なり、明るい詩ではありません。また、スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・USA」は、アメリカの愛国心発揚ソングではなく、アメリカの酷薄さを歌ったものです。
どうも、「ほとんどのアメリカ人は、歌詞なんかまともに聴かない」ようで、英語の分からない日本人と同じレベルです。安心しますね。
 ボブ・ディランのわかりにくさについて語りながら、「程度の差はあるけれど、僕らはみんな転校生だ。この場所からあの場所へ。この人からあの人へ。こうして月日は過ぎる。僕自身も、偽装を捨てる日はまだ先のようだ。もしかしたらこの偽装の中にしか真実はないかもしれない。」と書いていますが、なるほどです。

2012-09-06 Thu 17:20 | 新刊本

八十島法律事務所
〒060-0042
札幌市中央区大通西10丁目

周辺地図

●地下鉄東西線「西11丁目駅」下車
  3番出口直結 南大通ビル9階
●市電「中央区駅前」停留所より
  徒歩約2分
●近隣に有料駐車場有り

詳細はこちら>>