Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-06-11 Mon

三好達治編「日本現代詩大系第9巻」(河出書房) 昭和27年7月10日刊


 これも恩田の装幀によるもので、この巻は三好達治が編者です。このシリーズの素晴らしいところは、各詩集の書影が掲げられているほか、発行年月日、発行所名、判型、頁数、定価の記載があることです。但し書影については印刷が悪く、はっきり分からないものもありますが、本巻に収められている詩集の多くは、今では容易に観ることができないものもありますから、貴重と言えます。西脇順三郎の「Ambarvalia」は限定30部でしたし(但し今は復刻版がありますが)、高祖保の「希臘十字」は70部しか発行されていませんでした。よく集められたと思います。
 そして、「能ふ限り原型を保存することに努めた。収載した詩篇はすべて初校本を定本として用ひた。」とあります。初校本自体は手に入らなくとも、読めるものもありますが、新字になっているものがほとんどで、この点でもこの本は素晴らしいと思います。
 
 

2012-06-11 Mon 18:41 | 古本

2012-06-11 Mon

大木篤夫 「危險信號」(アルス) 昭和5年9月27日刊


これも恩地の装幀によるものです。おそらく箱入りと思われるのですが、私が持っているものは、箱はありません。大木は長い自序を書いていて、その中で、「この詩集一巻は、著者が、この四年来の思想的混沌から生まれた時代的苦悶の告白であり、彼自身への、同時代の没落階級への危險信號であり、新興階級の戰勝行進曲の前に、彼が贄として捧げる没落の哀歌である。」と大変勇ましいことを書いています。
     「あるVision」から
  寒暖計は零度になった
  眞昼の日中に
  霏々として雪が降ってゐた  風が荒れてゐた
  街角に紫の花をつけた潅木が揺れてゐた
  うなりながら 赤い飛行機がビラを撒いてゐた
  塔の鐘が危險信號を鳴らしてゐた
  年月の層を刻む 高層建築の目盛りが罅割れてゐた
  マンモンの下僕の群れが そこに蟻のごとく膠りついてゐた
  機械の狂氣が ああ やうやく飢ゑてゐた
        (略)

2012-06-11 Mon 18:36 | 古本

2012-06-11 Mon

岩田準一編「夢二抒情画選集上・下」(寶文館)昭和2年1月15日刊


 これも恩地の装幀によるものです。恩地は、18歳のころに、竹久夢二にファンレターを出したことをきっかけとして、夢二と交流するようになり、大正12年5月には、夢二らと現代風に言えばデザイン事務所である「どんたく図案社」を結成したのですが、同年9月の関東大震災のために解散を余儀なくされます。
 この選集は、1905年から1926年つまり明治38年から大正15年にわたる全作中比較的抒情画としての範囲に入るべきものを選んで編纂したと編者である岩田は言っています。
 夢二自身は、「古疵をいぢられるような氣持ちになりたくない」といって、一切を岩田に任せています。

2012-06-11 Mon 18:25 | 古本

八十島法律事務所
〒060-0042
札幌市中央区大通西10丁目

周辺地図

●地下鉄東西線「西11丁目駅」下車
  3番出口直結 南大通ビル9階
●市電「中央区駅前」停留所より
  徒歩約2分
●近隣に有料駐車場有り

詳細はこちら>>