Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-05-14 Mon

伊藤信吉 「詩の旅」  (彌生書房)  昭和47年3月20日刊


詩にうたわれた場所や、詩人ゆかりの地に行き、そこで写した写真と詩、及びこれにまつわる短文を見開きにまとめたものです。
 伊藤は、「専門家ではないので、カメラの技倆も貧弱である」と書いていますが、モノクロ写真が、郷愁を掻き立てられ、詩の風情と実によく合っていると思いました。

2012-05-14 Mon 19:32 | 古本

2012-05-14 Mon

谷沢永一・向井敏 「縦横無尽」 (日本経済新聞社) 昭和55年4月22日刊


 向井が、「君が1冊の本の本質を一言で言い表そうと全力を傾ける、それに僕は聞きほれてしまってすぐに言葉を継いで行けず、打々発止という具合にいかなかったのが心残り」と言っているように、あの向井でさえ、聞き役にされています。例えば、向井が、安東次男の読みの深さについて触れたところ、「実は、釈迢空という人は、深読みじゃなしに、深思いをして作品を作る人だ。しかし、実際に釈迢空のどの短歌でも、迢空がそんなに思いを込めたほど、方法としての表現効果は出ていない、と言ってもいいのじゃないか。」とか、林達夫の「共産主義的人間」については、「この1冊はおそるべき書物で、二十世紀における革命とはどういう性格のものであるかということを的確に説き明かした、いわば革命総論であって、しかもそういう本として比類がない。」と谷沢は言います。こうした物言いは、谷沢の独擅場ですね。芸といってもいいと思います。

2012-05-14 Mon 19:18 | 古本

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