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2012-05-09 Wed
久世光彦文・北川健次美術「死のある風景」(新人物往来社)2012年4月29日刊
新潮社から出ていたものの新装版で、奥さんがセレクトしています。この本の佇まいが好かったので手にとってみました。気になった文から。
「私は、川端康成の自裁は、自分の鳥の目が弱ったのを知ったからだと思っている。たぶんあの人は、鏡の中に、いつの間にか暖かい色が宿っているのを見てしまったのだろう。」
「《夏》の明るさの背後に、いつも《死》の影を見ていたのは、三島由紀夫だった。」
こういうことは、文芸評論家は考えないでしょうね。
「年を重ねてここまでくると、目に入るものや、耳にするものが、だんだんぼやけ、曖昧になってきて、<死>と<詩>だけが、いやに鮮明に見えたり聞こえたりするようになる。こればかりは、若いころにはわからない。」
2012-05-09 Wed 18:57 | 新刊本
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