Renkei日記 - 八十島法律事務所

2012-05-21 Mon

加藤郁乎 「後方見聞録」 (学研M文庫)  2001年10月19日刊


5月18日の朝刊に、16日、心不全で著者が亡くなったとの記事が出ていました。この本は、60年代から70年代にかけての、交遊録なのですが、その顔ぶれが、稲垣足穂や澁澤龍彦をはじめそうそうたる人達であり、しかもその内容たるや、まさに衝撃的なものです。
 ご冥福をお祈りします。

2012-05-21 Mon 18:34 | 古本

2012-05-17 Thu

寺島靖国 「JAZZ雑文集」 (ディスクユニオン)  2012年2月1日刊


 私がジャズを聴き始めたころ、この著者の出した「辛口!JAZZノート」は、とても楽しく読めました。それからあっという間に20年以上の年月が流れ、著者も70歳を超える年齢となっていました。
 帯にもありますが、ジャズとオーディオ、哀愁と笑い、そして生きる活力を綴ったエッセイ集で、人間年を取っても悟りの境地にはなかなか至れないということをまざまざと教えてくれます。

2012-05-17 Thu 18:12 | 新刊本

2012-05-16 Wed

萩原恭次郎 「死刑宣告」 (長隆舎書店)  大正14年10月18日刊


序で、「私は私の詩集に『野獸性なる人間的なる愛の詩集』と名づけたく思ふ程の、いはゆるデカダンを擯斥するものである。」、「一篇の詩は、われ自身の凾の中の音樂を聴くと共に、都會の雑音にまぢる高架鐡道の轟音を聞く。」とありますが、当時都会という概念ができたばかりだと思うのですが、とてもモダンですね。というわけで、この詩集は、左から右に、あるいは上から下にも書かれていますし、写真や版画も入っています。

2012-05-16 Wed 18:04 | 古本

2012-05-14 Mon

伊藤信吉 「詩の旅」  (彌生書房)  昭和47年3月20日刊


詩にうたわれた場所や、詩人ゆかりの地に行き、そこで写した写真と詩、及びこれにまつわる短文を見開きにまとめたものです。
 伊藤は、「専門家ではないので、カメラの技倆も貧弱である」と書いていますが、モノクロ写真が、郷愁を掻き立てられ、詩の風情と実によく合っていると思いました。

2012-05-14 Mon 19:32 | 古本

2012-05-14 Mon

谷沢永一・向井敏 「縦横無尽」 (日本経済新聞社) 昭和55年4月22日刊


 向井が、「君が1冊の本の本質を一言で言い表そうと全力を傾ける、それに僕は聞きほれてしまってすぐに言葉を継いで行けず、打々発止という具合にいかなかったのが心残り」と言っているように、あの向井でさえ、聞き役にされています。例えば、向井が、安東次男の読みの深さについて触れたところ、「実は、釈迢空という人は、深読みじゃなしに、深思いをして作品を作る人だ。しかし、実際に釈迢空のどの短歌でも、迢空がそんなに思いを込めたほど、方法としての表現効果は出ていない、と言ってもいいのじゃないか。」とか、林達夫の「共産主義的人間」については、「この1冊はおそるべき書物で、二十世紀における革命とはどういう性格のものであるかということを的確に説き明かした、いわば革命総論であって、しかもそういう本として比類がない。」と谷沢は言います。こうした物言いは、谷沢の独擅場ですね。芸といってもいいと思います。

2012-05-14 Mon 19:18 | 古本

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