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2012-03-20 Tue
吉本隆明詩集 (書肆ユリイカ)
3月16日にお亡くなりになりました。私が大学に入学した当時は、すでに学生運動は表舞台からはなくなっていて、いわばしらけた時代であり、やがてバブルに向かおうとしていた時代でした。そんな時代に、吉本氏の「共同幻想論」や「擬制の終焉」を読むことにどんな意味があったのか分かりませんが、なんとなく読んでいました。そこに書かれていたことは、既成の価値や権威は疑うべしといったところでしょうか。程なく、吉本氏は、詩人として出発していたことを知りました。その一つを引用します
ぼくは死に ぼくの優しさがそれをかんがえている
とぢられたぼくの眼は永遠を約束されないけれど
むすうの星がぼくの精神のいないあいだに生まれ
ぼくのいないあいだに薄れる
それだけがぼくの夕べと夜との説話だ
ゆるされた明るい可能だ
「一九五二年五月の悲歌」より
2012-03-20 Tue 12:48 | 古本
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