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2011-07-19 Tue
藤田三男編 浅見淵随筆集新編燈火頬杖
ぜひ新刊を出して欲しいウエッジ文庫の1冊です。徳田秋聲、瀧井孝作、井伏鱒二、梶井基次郎、尾崎一雄ら実際に親しく交わった小説家たちを回想する随筆で、どれもこれもとても面白く読めました。
中でも川崎長太郎会見記というのがあるのですが、川崎の話し言葉が、「〜たんだヨ」、「〜思ったヨ」、「〜それにしてもよオ」、「〜どうかと思うナ」となっていて、いかにもという感じで、川崎の朴訥そうで、したたかな感じが良く表れているような気がしました。
また谷崎の細雪について、この作品は「今まで筆を尽くして書いてきた如く擬古的生活への没入で、その没入振りを描くことが最大眼目になっている。」と分析しており、なるほどなと思いました。結局関西に移っても変わらなかったということですね。
ほかに取り上げられるべき作家として、園池公致、三宅幾三郎、松本泰、山崎俊夫、小島政二郎、蔵原伸二郎、白石実三、福永挽歌、藤澤清造、中島直人、佐々三雄らの名を上げています。気に留めておきましょう。
2011-07-19 Tue 18:00 | 新刊本
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